2020年2月28日
福岡市中央区天神の「天神西通りビジネスセンター」、「住友生命福岡ビル」の2棟の再開発が検討されている。
※一体的に再開発予定の「天神西通りビジネスセンター(写真右側)」と「住友生命福岡ビル(写真左側)」(2020/2撮影)
天神西通り、明治通り沿いに位置する「天神西通りビジネスセンター」と「住友生命福岡ビル」の2棟は今後閉館予定。
福岡市が進める再開発プロジェクト「天神ビッグバン」による制限緩和や優遇施策を活用し、2024年末までを目指して、一体的に再開発を行う。
1978年に竣工した地上12階・地下2階建の「天神西通りビジネスセンター」は福岡地所株式会社が所有、
1969年に竣工した地上9階・地下2階建の「住友生命福岡ビル」は住友生命保険相互会社が所有している。
どちらのビルもオフィス・店舗が入居しており、一体的に再開発する新ビルでも複合ビルとなる。
現在、天神地下街から繋がる地下通路は「住友生命福岡ビル」までだが、新ビルを経由し西通りまで接続、新たに広場も整備する予定。
新ビルの計画の詳細は今後詰めるとしている。
※青枠:「天神西通りビジネスセンター」、赤枠:「住友生命福岡ビル」
天神ビッグバン優遇施策の期限である2024年を前に再開発計画も次々に発表され、多くの計画が進行中。
福岡市は2024年末までに30棟の民間ビルの建替を誘導するとしており、2019年8月時点では28棟のビルが建て替え完了と発表している。
下記の表は天神ビッグバンを活用する主な大型プロジェクト。
事業・物件名称 | 計画内容 | 竣工・開業予定 |
---|---|---|
天神ビジネスセンター | オフィス・商業 | 2021年9月 |
旧大名小学校跡地活用事業 | ホテル(ザ・リッツ・カールトン福岡) オフィス・住居・多目的空間等 | 2022年末 |
イムズ建て替え | 商業 | 2024年末 |
福ビル街区建替プロジェクト (福岡ビル・天神コア・天神ビブレ) | 商業・オフィス・ホテル | 2024年 |
天神MMTビル建て替え | 商業・オフィス・ホテル(検討中) | 2024年末 |
福岡市役所北別館建て替え | 民間による再開発を予定 | 2021年12月以降閉鎖 |
ヒューリック福岡ビル | 高級ホテル | 2024年末 |
天神西通りビジネスセンター・ 住友生命福岡ビル | オフィス・商業 | 2024年末 |
今回、発表された 「天神西通りビジネスセンター」、「住友生命福岡ビル」の一体的な建て替えにより
天神ビッグバンの第1号案件「天神ビジネスセンター」から「福ビル街区」、ザ・リッツ・カールトン福岡(高級ホテル)が予定されている「大名小跡地」までの再開発によって、
地下道を経由して繋がり、さらなる回遊性が生まれることになる。
福岡市のさらなる発展を目指す「天神ビッグバン」の期限である2024年まで残り約5年となり、再開発プロジェクトの進行も加速度を増している。
しかし、建て替えによる閉館等で賑わいが失われる事、オフィスの移転先確保の問題など解決すべき事案もある。
ただ、それ以上に新ビル・新施設の竣工・開業が集中する2024年には「福岡のまち」がどのようになっているのか、大いに楽しみである。