2019年10月30日
福岡市は中央区天神の「福岡市役所北別館」について再開発の方針で検討を進めている。
福岡市役所北別館は2021年12月以降に廃止、閉鎖され、民間の事業者による跡地再開発を目指す。
※再開発予定の「福岡市役所北別館」(2019/10撮影)
福岡市役所本庁舎の北側に位置する「福岡市役所北別館」は、1976年に完成し、地上9階・地下2階の建物。竣工から築43年が経過し老朽化が進んでいる。
再開発にあたり民間事業者を公募し、選定する。跡地について民間事業者へ売却するか貸与するかは今後検討していくとしている。
※2021年12月以降に閉鎖される「福岡市役所北別館」(2019/10撮影)
福岡市役所北別館の敷地面積は約1,500㎡、延床面積は約10,000㎡、福岡市の部署や組織、団体が入居しているが、北別館の閉鎖前に2021年12月に完成予定の博多区役所新庁舎等に移転する。
※「北別館」周辺には「天神MMTビル(写真左側)」等再開発予定のビルも多い(2019/10撮影)
福岡市役所北別館がある天神周辺エリアでは、再開発プロジェクト「天神ビッグバン」が福岡市により進められている。
天神交差点から半径約500mの対象エリア内では、高さ制限や容積率が緩和されるため、北別館の再開発でも活用が検討されている。
周辺では、他にも天神ビッグバンを活用した再開発計画が多く進行しており、北別館の北側では、「天神ビジネスセンター(仮称)」が建設中、西側の「天神MMTビル」についても再開発が検討されている。
■天神ビッグバンの第1号「天神ビジネスセンター(仮称)」
関連記事:建設が進む「天神ビジネスセンター(仮称)」(2019/4/26)
※赤枠:福岡市役所北別館、紫枠:(仮称)天神ビジネスセンター、緑枠:天神MMTビル
「福岡市役所北別館」の立地は天神の中心部の一等地にあるが、築43年が経過し、老朽化しているため、市としても対策が必要であった。
しかし、建替や建物設備の更新にはコストが掛かるため、天神ビッグバンを有効活用できる民間事業者による再開発になったと思われる。
計画地が市所有の土地であるため、市が進める「天神ビッグバン」プロジェクトにおいては、重要な再開発計画になるだろう。
また、「天神ビッグバン」の優遇施策は2024年までに竣工予定のビルにのみ適用されるため、今後、周辺建物の再開発もさらに加速すると思われる。