2019年4月26日
福岡市天神1丁目の大型複合ビル「天神ビジネスセンター(仮称)」の建設がスタートしている。
「天神ビジネスセンター」は福岡市が進める再開発プロジェクト「天神ビッグバン」の第1号となる物件で、2021年9月の完成を目指している。
※建設中の「天神ビジネスセンター(仮称)」(2019/3撮影)
「天神ビジネスセンター」は当初、2017年度の着工を予定していたが、2017年9月に天神明治通り地区における高さ制限が緩和された事により、階数を地上16階建から19階建(約89m)に変更し、2019年1月に工事開始となった。 基準階の1フロアの面積は約717坪(約2,370㎡)、延床面積は約18,487坪(61,116.98㎡)で、天神エリアにおいて最大級のフロア面積となる。
■「天神ビジネスセンター」を含む天神明治通り地区は2017年に高さ制限が緩和されている
関連記事:大名小跡地に続き、博多港・明治通りも高さ制限緩和へ(2017/10/27)
「天神ビジネスセンター」はワークライフバランスをコンセプトとしており、福岡県初となる大規模な免震構造を採用(福岡市の基準の1.5倍の耐震性)、
国内屈指のBCP性能(事業継続計画:災害等のリスクに対する備え)は、災害時に備えて72時間対応の非常用発電機が設置され、電力供給やトイレも利用可能。また、特徴あるデザインや高級ホテル並みのインテリアにこだわるなど、
高機能・ハイグレードなオフィスビルとなる。低層階と地下には商業テナントも予定されており、総事業費は500億円を見込む。
建築デザインは福岡県久留米市出身で虎ノ門ヒルズステーションタワーなどを手掛けた重松象平氏、
インテリアデザインをGINZA SIXの内装デザインを手掛けたグエナエル・ニコラ氏がそれぞれ担当する。
基本設計を株式会社日本設計、実施設計・施工は前田建設工業株式会社が行う。
紫枠:「天神ビジネスセンター」建設地
物件名 | 天神ビジネスセンター(仮称) |
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所在地 | 福岡市中央区天神1丁目 |
敷地面積 | 約1,185坪 |
建築面積 | 約978坪 |
延床面積 | 約18,487坪 |
構造・規模 | S造一部RC造 地上19階 塔屋2階 地下2階 |
建物高さ | 約89m |
用途 | 事務所・店舗・駐車場等 |
竣工予定 | 2021年9月 |
福岡市内では大規模なオフィスの供給が少ない状況が続き、大きな面積を必要とする企業のニーズを満たす物件が少なかった。
「天神ビジネスセンター」は、1フロア700坪超の非常に大きな面積の供給が出来る物件というだけでなく、
機能性・防災性能も高く、外観・内装デザインを含め付加価値の高いオフィスビルになるだろう。
また、大企業だけでなく、スタートアップ企業も入居できるようシェアオフィスも想定している。
2021年9月予定の竣工時期には新規の事務所開設はもちろんのこと、周辺オフィスからの移転も想定でき、福岡市内のオフィス市況にとって好影響を及ぼす可能性が高い。
福岡地所も国際的な大企業の誘致を進めており、福岡市の都市競争力の向上は間違いない。
「天神ビッグバン」プロジェクトの第1号として、今後のプロジェクトを活用する他の新ビルへの相乗効果にも期待したい。