2018年8月29日
福岡市博多区の青果市場跡地の再開発事業者が三井不動産を代表企業、九州電力、西日本鉄道を構成企業とするグループに決まった。
※福岡市博多区那珂6丁目の「青果市場跡地」JR竹下駅側(2018/8撮影)
福岡市は福岡市博多区那珂6丁目の青果市場跡地について民間への売却を決め、2018年1月より売却先を公募していた。
跡地はJR博多駅や福岡空港に近い立地環境にありながら、約8.8ヘクタールの広大な敷地のため、再開発にあたって注目を集めていた。
市は、応募した各グループの事業計画・入札価格等の内容を評価。評価基準は、交通環境への配慮、緑の創出、周辺施設との連携、広場等の空間などの項目を重視。審査の結果、三井不動産を代表とするグループを事業予定者に決定した。
公募には、三井不動産を代表とするグループの他、イオンモール、イズミ、九州旅客鉄道をそれぞれ代表企業とするグループの計4グループが応募していた。
■青果市場跡地の再開発について民間公募
関連記事:青果市場跡地再開発の民間公募に西鉄、JR九州が応募(2018/5/31)
※青果市場跡地内の建物は全て解体され更地に(2018/8撮影)
同グループは「出会いの広場」を基本方針としており、九州初進出となる「ららぽーと」を核とした大型の複合施設を提案。
「キッザニア」(職業体験)、「アグリパーク」(体験農園)、「福岡フードマーケット」(福岡・九州の食材集積ゾーン)を計画している。
三井不動産が全国で展開している「ららぽーと」は全国で13ヵ所(2018年9月にはららぽーと名古屋みなとアクルスが開業予定)。
「キッザニア」はメキシコ発祥の子ども向け職業体験テーマパーク。
世界19ヵ国で展開されており、国内では東京・兵庫にあり、名古屋にも進出計画がある。福岡が国内4ヵ所目となる予定。
※筑紫通り側は「森のエントランス」と「駐車場棟」が予定されている(2018/8撮影)
【緑の創出】として、筑紫通り側に「森のエントランス」、JR竹下駅側に「花のエントランス」の2つのエントランスを配置し、屋上の緑化、農園による緑の滝等で緑化面積は約17,000㎡になる。
敷地内には多機能な広場(パーク)を計10ヵ所設置し、広場面積は約38,000㎡、周辺学校の部活動や地域のお祭りの会場として無償で提供される。
建物は本体棟(6階建て)、別棟(4階建て)、オーバル棟、駐車場棟(駐車台数約3,000台)で構成され、別棟の1階にバスターミナル、2・3階にキッザニアが入る計画。
主な機能 | 6階 | 運動場・駐車場 |
---|---|---|
5階 | 駐車場 | |
4階 | 店舗・駐車場 | |
1階~3階 | 店舗 | |
延床面積 | 139,010㎡ |
主な機能 | 4階 | 運動場 |
---|---|---|
2階・3階 | 店舗 | |
1階 | 交通広場 | |
延床面積 | 12,560㎡ |
【周辺地域の生活の質の向上】として、企業主導型保育園、クリニックモール、障がい者就労支援等をワンストップで集積。 災害時には支援物資拠点化し、駐車場や広場を開放するとしている。 【交通環境への配慮】として、バスターミナルの設置と福岡空港やJR博多駅などの市内主要箇所からのバス路線を新設。 また、敷地後退による道路の拡幅工事を行い、周辺道路の交通混雑緩和する。 今後、2018年12月に市議会へ土地売却の関連議案を提案し、2019年3月に土地の引き渡し、2021年度末の開業を予定している。
青果市場跡地の再開発に当たっては2018年1月の公募以降、その動向が注目されてきた。
今回、三井不動産が代表のグループに決まったことで「ららぽーと」、「キッザニア」という九州初の施設が誕生する。
跡地は福岡市の南部に位置し、恵まれた立地環境と広大な面積。期待度の高い施設が出来る事で周辺エリアの魅力・賑わいの向上は間違いない。
同グループの目指す「福岡市の成長に貢献」する計画として大いに期待したい。