2018年4月27日
福岡市中央区の大名小学校跡地は「天神ビッグバン」の西のゲートとして重要な役割を担う場所として期待されているが、
2017年10月からの事業者公募にて、3グループの提案があり、外資系高級ホテル「ザ・リッツ・カールトン」を核とした複合施設を提案した積水ハウス株式会社を代表とするグループが優先交渉権者に決定した。
大名小跡地は明治通りに面した約1.2ヘクタールの一等地。国家戦略特区の特例として、2017年には高さ制限が約115mまで緩和されており、各グループの提案内容に期待が高まっていた。
関連記事:旧大名小跡地が高さ制限緩和・西鉄が隣接地を取得(2017/8/25)
※「ザ・リッツ・カールトン」の建設が予定される大名小跡地
優先交渉権者である積水ハウスを代表とするグループは、西鉄、三菱地所、西部ガス、西日本新聞社などの計12社で構成され、 その提案内容は“国内外のチャレンジャーと企業が集い、新しい価値を生み成長するグローバル創業都市の新たな拠点「ガーデンスクエア」”を基本方針としている。
事業者公募では、積水ハウス、福岡地所、JR九州を代表とする3グループが提案したが、積水グループが総合評価で他グループを上回った。
これまで、福岡市はホテル不足が叫ばれ続けており、特に高級ホテルが少ない現状があった。
福岡市は2019年に日本で初めて開かれる主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)を誘致していたが、首脳級を受け入れ可能なホテルが足りず、大阪市での開催に決まっていた。
高級ホテル不足を課題としていた市は、今回の提案内容でホテルを重要視しており、
国際的にブランド力の高い高級ホテル「ザ・リッツ・カールトン」の誘致を打ち出した積水グループが、
評価委員会の内容評価のホテルの項目において高評価を受け、優先交渉権を獲得した。
積水グループの計画では敷地内にオフィス・ホテル棟、コミュニティ棟、広場、イベントホールなどを整備。
地上24階建てのオフィス・ホテル棟にはマリオットグループ(アメリカ)の運営する高級ホテル「ザ・リッツ・カールトン(THE RITS‐CARLTON)」、ワンフロア約756坪に及ぶ大規模オフィス、
地上18階建てのコミュニティ棟にはグローバル企業者向けの国際水準賃貸マンション、公民館、保育施設などが入る。
約3,000㎡の広場は地域⾏事や災害時の避難場所となる。
跡地は福岡市が所有し、同グループが事業期間70年間、借地料年間585,771,000円を提案している。
コミュニティ棟の一部が2021年秋に先行開業し、全体開業は2022年12月頃としている。
オフィス・ホテル棟 地上24階 (110.0m) |
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商業:1・2階 ※日本初、福岡初進出の商業店舗 |
オフィス:3,5~16階 ※ワンフロア最大貸付面積:約2,500㎡(約756坪) |
ホテル:3,17~24階 ※ザ・リッツ・カールトン (18階:レストラン・ラウンジ 24階:ルーフトップバー) ※客室147室、全て50㎡以上 |
コミュニティ棟 地上18階 (62.8m) |
公民館・老人いこいの家・多目的空間:1階 |
保育施設:2階 ※約300㎡ 定員50名 |
創業支援・人材施設:2・3階 ※コワーキングスペース、シェアオフィス |
レジデンス:4~18階 |
福岡市は再開発事業「天神ビッグバン」を進めているが、2017年に「、天神ビジネスセンター」が着工したが、他に大きな動きはあまり出てきていない。
「福岡ビル」や「天神コア」は建て替えに向け動き出しているが、大名小跡地の再開発が大きく動き出した事で、天神エリアの再開発に向け弾みがつくだろう。
また、「ザ・リッツ・カールトン」のような高級ホテルが出来る事で、これまで以上にMICEや世界的イベントにおける福岡市の都市競争力が高まる事が予想される。
さらには大規模オフィスも出来る事で、福岡市のオフィス市況の活性化に期待したい。