2017年8月25日
※青枠部分:旧大名小学校跡地 赤枠部分:西鉄が新たに取得した土地 跡地の東側は西鉄グランドホテル
2017(平成29)年7月、福岡市中央区大名の旧大名小学校跡地(約12,000㎡)について、国家戦略特区の特例として建築物の高さ制限が緩和された。
福岡市が進める再開発事業「天神ビッグバン」の重要プロジェクトの一つが「旧大名小学校跡地まちづくり」。
同跡地は福岡市中心部に位置し、福岡空港からは地下鉄で約11分、直線距離にして約4kmという至近距離。
利便性が非常に高い反面、航空法により空港からの距離に応じてビルの高さが制限されていたため、高層ビルの建設ができず再開発にあたって「高さ制限」が大きな課題であった。
2014(平成26)年に天神の一部エリアの高さ制限が67メートルから76メートルまで緩和されていたが、
今回の特例により、大名小跡地についてはこれまでの約1.5倍となる115メートルまでさらに緩和され、26階前後の超高層ビル建設が可能となった。
同跡地の再開発について市は2016(平成28)年5月に跡地活用プランの策定をしており、今後は2017年10月に事業者公募手続き、
2018年3月に事業者決定、2018年10月以降事業着手のスケジュールで進めるとしている。
※オンワード樫山から西鉄が購入した建物
10月に、より具体的な再開発プランの募集が開始されるが、なかでも注目なのが西日本鉄道。 西鉄は同跡地に隣接する西鉄グランドホテルの建て替えを検討しているが、 今月には、跡地西側に隣接する土地(約2,000㎡)と建物に関しても取得したと発表。 取得地の利用法については検討中としているが、大名小跡地・西鉄グランドホテル・新規取得地を一体とした再開発プランの提案も考えられる。
福岡市が進める天神ビッグバンにおいて「西のゲート」として注目される旧大名小学校跡地。
西鉄による大名小跡地・ホテル・新規取得地を一体とした開発プランになれば天神・大名エリアの新たなランドマークとなることは間違いなく、どのうような提案になるのか大いに期待したい。
また、福岡市では引き続き、博多駅周辺エリア・博多港周辺のウォーターフロントエリアに関しても、高さ制限の緩和を国に求めるとしており、
高さ制限の緩和によって大型ビルへの建て替えが進めば、高い耐震性能を備えるビルが増え、防災機能が強化されるだろう。
そのため、これまで以上に企業・テナントの誘致が活発化し、さらなる賑わいが創出される事が予想される。