更に西側端のエリア(旧大名小学校跡地)ではオフィスやホテル(ザ・リッツ・カールトン)が入る24階建ての「福岡大名ガーデンシティ」も竣工したが、まだまだ工事現場が多く、オフィスワーカー数の減少から、かつてと比べると寂しさを感じるかもしれない。とはいえ、大きく様変わりするこのエリアへの期待は最高潮に達している。
2021年9月に竣工した天神ビジネスセンター
福岡大名ガーデンシティ
もともと市内では一番賃料水準の高い地区。しかし博多駅周辺エリアにおける需要増加と、景気の低迷による入居率の悪化により大幅な値下げが当エリアにおいても一時は実行されたが、今ではほぼ満室稼働となり、共益費込み坪18,000円から22,000円に改善されている。現在では築年数のあるビルでも坪あたり17,000円(共益費込み)の相場感が戻っているが、その影には、天神ビッグバンの再開発事業による大型面積の空室不足の状況が後押しした。
また北エリアの天神3・4・5丁目の中小規模のビルでも、相場感や空室率は改善しており、築年数の古いビルでも条件交渉はほぼ難しい状態。予算を重視して探索する企業には優しくない市場であることは明白で、中小・地場企業にとっては、割高感を感じる状況は変わっていない。