また、KITTE博多内にマルイが福岡進出後、2階ペディストリアンデッキで南部の博多駅前4丁目まで連結され、人の回遊性が高まった。中央部(西部)には、博多区役所の建て替えも完了し、伊予銀行の建て替え計画が始動。天神南~櫛田神社前~博多駅の地下鉄の七隈線延伸も開通した今、インバウンド効果も戻り、毎日観光客の姿が目につく。「博多コネクティッド」計画により、本エリアでは西日本シティ銀行本店の建て替え工事(Walkプロジェクト)も工事中で、南に位置する日本生命博多駅前ビルや北部の博多新三井ビルの立ち退き、そのまた近くの旧YJカードビルの建て替え工事も進んでいる。これらすべては博多駅前エリアの「顔」となる一等地にあるがゆえ、博多が様変わりする未来への期待は非常に高まっている。
建て替え工事が進む西日本シティ銀行本店本館跡
博多駅より大博通り方面
かつては、リーマンショックの影響(営業所の撤退や売り上げ低迷など)による空室改善対策として、成約賃料のダンピングが実施され、既存の大型物件も、市場ニーズに柔軟に対応するケース(共益費込8,000円~9,000円)が目立ったため人気も高く、7年前には入居率も改善された。その後、景気回復と新築不足により、品薄の状態。、大通り沿いの新築大型ビルなら共益費込22,000円前後、築年数の古いビルでも賃料水準は18,000円前後まで一時上昇し、中小規模の物件についても、14,000円前後で、築年が比較的浅めの物件(平成竣工)は完全に空き待ちの状態にあった。
しかし、昨今の新型コロナウイルスの影響により、リモートワークを決定した企業は面積の見直しを図り、じわじわと募集区画が市場に出てきた。これにより市場では坪当たり2,000円前後の見直しを図る流れとなり、あるいは賃料を現状維持のままで、フリーレントを複数ヶ月付加して対応を行う市場になってしまっている。しかしながら、博多駅前の南エリアの大型オフィスビルが竣工後、比較的人の流れが弱かった南側エリアにもデッキが繋がることにより人が流れ、人の回遊性はアップした。また同エリアで昨年竣工した大通り沿いでない大型新築ビルでも坪当たり20,000円以上で満室の高稼働。まだまだ人気があるエリアであることは間違いない。